「建て直してみせる」 07.07.22
ヨハネ福音書2:13〜22
神さまとの豊かな交わりの関係を生み出すことは、人には
出来ないことです。罪ある人間は、その関係を破壊することは
出来ますが、作り上げていくことは出来ません。神さまとの豊かな
関係は、神さまが作り出し、そこに人を招きいれてくださることで、
生まれるものです。人は、感謝してそこに身を置くのです。
エルサレムの神殿では、神さまへのささげ物として用いるための
動物やお金が売られていました。それらは、礼拝にとって必要な
ものでした。ところがイエスさまは、「父の家を商売の家としては
ならない」とおっしゃり、それらをひっくり返し、蹴散らしてしまわれ
ました。
それは、神さまや礼拝のためではなく、自分の益のための商売と
していたことへの非難だったでしょう。それだけではありません。
お店だけではなく、「父の家」(神殿)が「商売の家」になっていると
おっしゃいます。イエスさまは、そこに集る人々の心を見抜いて
おられました。神さまと取引をしようとする人間の心をご覧になり、
神殿でなされる感謝の礼拝が破壊されていることを、非難されたの
でしょう。
神さまの恵みに身を委ねることよりも、神さまを取引相手のように
見なし、神さまを従わせようとする姿。神さまとの豊かな交わりに
招き入れられている感謝でなく、自分が得ることに心を奪われている姿。
神さまからの一方的な恵みを踏みにじる私たちの罪が、この場面には
映し出されています。
この時イエスさまは、ご自分が新しい神殿となるとおっしゃいました。
弟子たちは、三日目に復活なさったイエスさまと出会った時に、
その言葉を思い出します。その時の弟子たちは、恐れや無力感で
一杯でした。その弟子たちに「平和があるように」、「もう罪は赦された、
安心してよい」とおっしゃいます。弟子たちはその主の言葉に包まれて
生き始めます。
イエスさまは、ご自分の十字架による赦しによって、
神さまとの交わりの完成をもたらしてくださいました。
それは、罪によっても破壊されない、真に深い関係です。